遺跡現況
遺跡調査区全景(報告書より)
出土土器(報告書より)
本遺跡は、村上市市街地の南方に聳える低丘陵地の浦田山丘陵のほぼ中央に位置し、
旧岩船潟の水田地を眼下に見下ろす細尾根上に立地している。
標高24mである。本遺跡は、平成13年に土取りの為、
煙滅する遺跡について事前に調査が行われた。
その結果、縄文時代前期末を中心とする集落跡である事が判明した。
検出遺構は土抗79基、ピット244基である。
土抗のうちフラスコ状土抗24基、Tピット1基、墓の可能性のあるもの7基、
竪穴住居の可能性があるもの3基がある。出土遺物は土器の他に、
石箆、尖頭器、石錐、石核、不定形石器、両極石器、磨石類(凹石、敲石)、石皿、石錘、砥石がある。
土製品や石製品は皆無であった。
わずかに平安時代の土師器、須恵器、縄文時代晩期の土器も出土している。
本遺跡の石器組成は狩猟用と思われる石鏃の出土量が少なく、
漁撈の礫を素材とした石錘が41点出土している。
本遺跡が、旧岩船潟に面している事から、漁撈を主体とした生活基盤を置いた事が推測されている。
また、調理用の磨石類と石皿が定量出土している事からキャンプサイトというより、
定住の場所と推定されている。同時期の近接している遺跡に、
八幡山遺跡があり、関連性も検討する必要がある。
引用参考文献
2008「上ノ山遺跡発掘調査報告書」新潟県岩船郡神林村教育委員会
2008「上ノ山遺跡発掘調査報告書」新潟県岩船郡神林村教育委員会