荒島上水道施設付近
荒島出土古銭(「あらかわ歴史散歩」より)
荒島集落は、荒川左岸に位置し米沢街道が東西に通じる。
集落内の「南俣」を元亨3年(1323)
の河村秀久譲状の「ミなミまた」に比定する説もある。
羽黒三山神社
荒島館
などがある。詳細な地点は不明であるが、
地方史によれば荒島上水道の施設付近から地元の人が昭和31年夏、
自分の畑地で桐の苗を植えていて、鍬の先にあたるものを感じたという。
よく泥を除いて見てみると中国の古銭で、その後の調査で開元通宝、乾元重宝、祥符元宝、
治平元宝など40種類の古銭5706枚があったという。
一番古い初鋳年のものは景定元宝(1260)で鎌倉時代のものである。最新のものは箱館通宝で
安政3年(1856)に初鋳されたものである。この箱館通宝は北海道にのみ流通したもので、
日本初の円孔銭である。全て一括で埋められたものであるならば、最新古銭の初鋳年
(1856)から、埋納時期は19世紀中ごろ以降と思われる。
新潟県北部の中世の埋納銭の出土地点は阿賀野市屋敷神遺跡
土地は10箇所あまりあり
珠洲焼の収納容器の場合が多い。
恐らく埋納の原因は、信仰、戦乱などの社会不安が原因と思われるが、
後者の可能性と考えるのが妥当という。
恐らく埋納の原因は、信仰、戦乱などの社会不安が原因と思われるが、
今回の事例は埋納容器の存在の有無が明らかでなく、
展示されている公民館のガラス展示ケ-ス越しに観察したが、
後世の整理作業で全て清掃したためなのか錆化したものが少なく、
古銭が錆びで付着していない点や拓本の文字も鮮明で土中に存在したにしては不自然な点があるが
実際に手にして観察したわけではないのでこれ以上はコメントできない。
機会があったらじっくり観察したいと思った。
引用参考文献
平成3年「あらかわ歴史散歩」荒川町
平成3年「あらかわ歴史散歩」荒川町